ノルウェーでは現在、国営天然ガス会社のガスコが天然ガス処理プラントの生産能力を増強する計画を推進しているほか、イタリア炭化水素公社(ENI)などが数年にわたり開発を進めてきたノルウェー領北極圏のゴリアテ油田で、ようやく生産が開始するなどの情報が伝わっている。(写真はENIのニュースリリースから)
ガスコは今年の年末までに同国の西海岸ハウゲスンのカースト天然ガス処理プラントの能力を日量9,000万立方メートルに増強する計画を明らかにした。9月末までに増強を完了する予定だ。カースト天然ガス処理プラントは、同国の大陸棚で産出した天然ガスやコンデンセートを処理し、欧州向けに供給しているという。4月5日付の『ロイター通信』などが報じた。
他方、ENIが3月半ば、ノルウェー領北極圏のゴリアテ油田で生産を開始した。この油田は世界最北に位置することで知られる。同油田の可採埋蔵量は約1億8000万バレルとされ、ピーク時の生産量は日量10万バレルを見込む。当初、2012年から操業開始を目指していたが、その都度、延期された。そのため、投資額が300億クローネから467億クローネ(約55億6,000万ドル)に膨らんだという。3月14日付の『ファイナンシャル・トリビューン』などが伝えた。
ENIなど運営企業は、ゴリアテ油田での損益分岐点を1バレルあたり50ドルと設定したため、原油価格が同30ドルの水準を下回る状態が続けば、操業を停止する可能性もあるとの指摘もある。権益比率はENIが65%、ノルウェーのスタットオイルが35%となっている。
このほか、米エクソンモービルは、ノルウェーのローガラン県スタヴァンゲル沖合およそ200キロメートルに位置するヨツン油田で、2016年4月から生産井の閉鎖を順次実施するという。17年末までに完了する予定だ。この油田の2014年の生産量は、日量2,100バレルだった。2月9日付のサイト『OEデジタル』などが報じた。