今回は、トルコにおける最近のエネルギー事情について取り上げる。トルコ石油精製会社(TUPRAS)が、イラン産原油の輸入停止にかかわる適用除外を米国に要請していることが判明した。10月18日付のサイト『アーバル』によると、TUPRASは月間ベースで3~4カーゴ分のイラン産原油の輸入を見込んでいるもようという。報道によると、トルコへのイラン産原油の輸入量は8月が日量9万7,000バレル、9月は同13万3,000バレルだったという。なお、適用除外の件について、トルコのエネルギー省やTUPRASはコメントしていない。
アゼルバイジャン国営石油会社ソカールのトルコ子会社は10月9日、トルコに新設するSTAR製油所を近く稼働すると発表した。この製油所の精製能力は年間1,000万トン(日量20万バレル)で、投資額は63億ドルという。トルコでは30年ぶりに新設製油所の開設となる。ソカールはその後、10月19日に当地でアゼルバイジャンのアリエフ大統領、トルコのエルドアン大統領らが臨席し、記念式典を開いたことを明らかにした。
ところで、トルコのアカル国防相は10月24日、ギリシャ単独のエーゲ海や地中海での資源開発や、地中海東部で資源開発を目論むギリシャの干渉を認めないと表明した。アカル国防相は、10月18日にトルコの探査船がギリシャのフリゲート艦に妨害行為を受けたとして抗議した。地中海東部では、トルコやギリシャのほか、キプロス、イスラエル、レバノンなどが天然ガス資源の開発を競っている。トルコはまた、ギリシャ系のキプロス共和国による同海域での掘削作業に反対の意を表している。
このほか、トルコ政府は10月17日、2019年の国営企業による投資計画を発表した。総投資額を24億4,000万ドルとし、石油・天然ガスパイプライン会社のボタスや、電力会社のTEISAなど25社に予算額を充てるとの方針を示した。