今回は、中東クウェートにおけるエネルギー事情について、現地から伝わる最新情報を報告する。

クウェート石油会社(KOC)は3月24日、同国西部のAl-Jathatheel地域で石油・天然ガス田を発見したと発表した。同社の幹部は「試掘の初期段階で、豊富な埋蔵量が期待されるとし、試掘作業を継続させる方針だ」とコメントした。ただ、推定埋蔵量など詳細は、現時点で明らかにしていない。

一方、3月30日付のサイト『ペンエナジー』などによると、クウェート石油公社(KPC)は、英BPと石油・天然ガス・石油化学事業などで投資協力を実現させるための包括的な契約を締結した。埋蔵するエネルギー資源の回収率向上をはじめ、国内外での石油・天然ガス探査、液化天然ガス(LNG)を含む石油・天然ガスのトレーディング、石油化学プロジェクトなど広範囲に及ぶ。具体的な案件として、BPのパラキシレン技術のKPCへの提供などがあるとしている。

このほか、クウェート国営石油会社(KNPC)は、LNG輸入施設の建設契約を韓国企業3社と締結した。3月31日付のサイト『アラブ・ニュース』などが報じた。契約を締結したのは、現代エンジニアリングと現代建設、韓国ガス公社(KOGAS)の3企業。プロジェクトの総投資額は29億3,000万ドルを見込むという。建設地は、サウジアラビア国境近くで現在、建設作業が進むアルズール製油所(処理能力は日量61万5,000バレル)近辺。2021年第1四半期の完工を予定という。もともと天然ガス生産量が少ないクウェートでは、発電用などに大量のLNGを輸入している。

ところで、市場関係者の間では、4月17日に開催予定のサウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)加盟国と、ロシアなど非加盟国による原油生産量の凍結合意に向けた会合の動向が注目されている。この件について、クウェートのサレハ石油相代行は4月3日、ロイター通信ら記者団に対し「会合で同意を得ることに前向きで、市場安定化につながるだろう」と、クウェートの立場を伝えたという。