中国石油化工(SINOPEC)は7月下旬、河北省の雄安新区に投資会社「SINOPECキャピタル」を設立した。7月19日付の『ロイター通信』などによると、資本金は100億元(約15億ドル)で、新エネルギーや新素材、省エネ、環境保護などの新興産業に投資するとしている。

一方、中国石油天然ガス集団(CNPC)は7月25日、新疆ウイグル自治区で計画する原油・天然ガス開発事業に、2018年~20年に約220億ドルを投資すると発表した。生産量は原油換算で年間約5,000万トン(日量ベースで100万バレル)を見込む。貯蔵施設の増強や、関連インフラ整備に充てるとみられている。また、CNPCは7月23日、同社の子会社である遼陽石油化学(遼寧省)が計画する新設の原油蒸留装置(能力は日量7万バレル)が試運転を開始したと発表した。この装置でロシア産原油を処理する予定としている。

ところで、米エネルギー情報局(EIA)は7月24日、中国やインドなどを対象とするエネルギー需要にかかわるレポートを発表した。このうち、中国について、2040年時点でも世界最大のエネルギー関連製品の生産国であり続けるとし、エネルギー消費の伸びが輸出・投資型からサービス産業・個人消費型にシフトするとの見通しを示した。他方、中国の海関総署によると、中国が6月に輸入した液化天然ガス(LNG)の輸入量は前年同期比31.3%増の397万トンだった。5月比で18万トン減少した。1~6月の総計は同50.3%増の2,381万トンだったとしている。

このほか、米ハネウェルUOPは7月23日、江蘇省の嘉瑞ケミカルにプロパン脱水素(PDH)プロセスを提供すると発表した。嘉瑞ケミカルは、同省泰興市の工業団地にプロプレンプラント(年間45万トン)の建設を計画している。

これに対し、デンマークのハルダートプソーは7月12日、SINOPECが山東省で手がけるスチレン-ブタジエンゴム(SBR)プラントに排ガス浄化触媒を提供することを明らかにした。ハルダートプソーによると、同社の触媒技術によって、環境汚染物質の揮発性有機化合物(VOC)を二酸化炭素(CO2)と水に酸化分解するという。