今回は、韓国のエネルギー分野における、最近の動きを拾ってみた。トランプ米政権が、イラン産原油の輸入を11月から停止するよう、同盟国に要請したことを受け、同国産原油の主要な輸入国の一つである、韓国政府は、代替調達先としてカザフスタンのCPCブレンド原油の輸入を増やしたと、7月3日付の『ロイター通信』が報じた。
他方、韓国のGSカルテックスは7月2日、新設クラッカーに米軍需産業のケロッグ・ブラウン・アンド・ルート(KBR)のプロセス「SCORE」を採用すると発表した。建設予定地は、韓国・麗水市で、生産能力は年間70万トンを見通す。
また、韓国の造船大手である大宇造船海洋(DSME)は6月19日、再液化システムを装備した液化天然ガス(LNG)タンカーを引き渡したと発表した。ただ、相手先の企業名は明らかにしていない。DSMEによると、ボイルオフガスの全量を再液化できる装置を備えた、世界初のLNGタンカーになるという。
韓国の石油化学大手であるポリミレイは6月末、サウジアラビアのアドバンスト・ペトロケミカルの子会社と合弁事業(JV)を設立し、ポリプロピレン(PP)プラントを建設することに合意したと発表した。ポリプロピレンの生産能力は年間40万トン、投資額は4億2,000万ドルという。
ところで、韓国ガス公社(KOGAS)は7月2日、豪ウッドサイドと、水素燃料の研究開発に関する協力で合意したと発表した。今後、天然ガスなどを由来とする水素燃料の製造、水素燃料の管理などの分野で共同研究に取り組む予定という。
水素関連ではこのほか、韓国政府が水素自動車事業に5年間で2.6兆ウォン(約23億ドル)を投資することで、産業界と合意したことが判明した。燃料電池車・燃料電池の製造、インフラ整備などが対象となるようだ。6月25日付の『コリア・ヘラルド』が報じた。