今回は、カナダのエネルギー分野における、ここ数カ月の動きを取り上げる。まず、カナダのノース・ウエスト・レッドウォーター・パートナーシップ(NWR)は6月末、アルバータ州のスタージョン製油所の増設工事が完了したと発表した。主要な10の装置が完成し、試運転に入ったようだ。スタージョン製油所は完成済みの製油所で、2017年末に合成原油の処理作業を開始したほか、ディーゼルも生産しているという。

他方、カナダのネクセン・エナジーは6月19日、アルバータ州北部で予定するロング・レイク・サウスウエスト油砂(オイルサンド)増設プロジェクトに4億カナダドルを投資すると発表した。原油を日量ベースで2万6,000バレル増産する見通しだ。ネクセン・エナジーは、中国海洋石油(CNOOC)が、カナダに保有する子会社である。

アルバータ州ではまた、カナディアン・ナショナル鉄道(CN)が6月半ば、同州での鉄道網の拡張工事で3億2,000万カナダドルを投資すると発表済みだ。エネルギー物資関係の輸送量増加に対応する狙いがあるという。

このほか、カナダのベイテックス・エナジーは6月18日、レイジング・リバー・エクスプロレーションと経営統合すると発表した。レイジング・リバーの株式1株に対し、ベイテックス株式1.36株を割り当てる。統合会社は、カナダ国内のバイキング・ピースリバーや、米テキサス州イーグル・フォードのシェールオイル・ガス資産を保有する。経営統合によって、総生産量は日量約9万4,000バレル(原油換算)となる見通しだ。統合にかかる手続きを2018年8月に完了する予定としている。

ところで、カナダのエンブリッジは7月4日、国内に保有する天然ガス関連資産をブルックフィールド・インフラストラクチャーに約33億ドルで売却することに合意したと発表した。資産売却は、エンブリッジの負債削減に向けた売却計画の一環とされる。対象となるのは、モントニーやホーンリバーなどの天然ガス生産設備で、総生産能力は日量33億立方フィートに相当するという。また、処理プラント19基、天然ガスパイプライン(全長3,550キロメートル)も売却対象に含まれるとしている。