米エネルギー情報局(EIA)は3月19日、英国の国別レポートを更新、その内容を公表した。英国は、欧州連合(EU)の中で第2位の原油生産国、第3位の天然ガス生産国であるものの、原油は2004年、天然ガスは05年、石油製品は13年に純輸入国となった。17年末時点での原油の確認埋蔵量は21億バレル。前年比で約20%減少した。また、16年の原油類の生産量は日量97万8,000バレルで、大半が海洋油田での生産となっている。16年の石油類の消費量は日量160万バレル。全精油所の精製能力は日量140万バレル(17年末現在)。

一方、天然ガスの確認埋蔵量は6.2兆立方フィート(18年1月現在)。生産量は、2000年の3.8兆立方フィートがピークで、その後は14年まで年平均7%のペースで減少しているという。16年の消費量は2.9兆立方フィート。輸入量は1.7兆立方フィートで、4,000億立方フィートを輸出している。

企業関連では、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが、ニュージーランドのマウイ・ポホクラ天然ガス田の権益を、オーストリアのOMVに5億7,800万ドルで売却することに合意した。シェルが3月15日、発表した。2018年第4四半期までに売却手続きを終える予定という。

一方、シェルが香港の電力会社であるCLPパワーに10年間、年間120万トンの液化天然ガス(LNG)を10年間にわたり供給する契約が合意間近であると、一部報道で伝えられた。それによると、供給開始は2020年で、浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備(FSRU)の建設にシェルが最終投資判断(FID)を下すことが前提になるとしている。

英BPは、同社が保有するエジプトでの成熟油田を売却し、その資金をエジプトの天然ガス田の買収資金に振り向ける計画であると、3月15日付の『ロイター通信』などが伝えた。ただ、油田名などは不詳としている。

そのほか、英国下院議会は3月15日、大気汚染に関する報告書を発表した。この中、英政府に対し、大気汚染対策の強化を要請した。従来型のガソリン・ディーゼル車販売の禁止期限を、2040年以前に設定することなどを求めた。