米エクソンモービルは2月末、ロシア国営ロスネフチとの黒海・北極圏における原油の共同開発プロジェクトから撤退すると発表した。米国政府の対ロシア制裁の強化を受けての判断とされる。エクソンモービルは、撤退にともなう損失約2億ドルを計上する見通しという。両社は2011年8月、このプロジェクトで包括的な協定を締結した。
エクソンモービルはまた、カナダのニューファンドランド・ラブラドール州の南東約350キロメートル沖合に位置するテラノバ油田の全保有権益(19%)を売却すると発表した。売却は、ポートフォリオ見直しの一環とされる。
米シェブロンは3月6日、2018年に石油・天然ガスを4~7%増産すると発表した。2020年までに年間ベースで180億から220億ドルを投資する計画であることも明らかにした。原油価格の回復を受け、同社は上流部門のコスト削減、利益率向上に注力するとしている。
一方、シェブロンについては、カナダのブリティッシュコロンビア州で運営するキティマット液化天然ガス(LNG)プロジェクトの権益売却で、マレーシア国営のペトロナスと交渉しているほか、カナダ年金基金なども売却先に浮上しているとの情報が飛び交っている。キティマットLNGは、シェブロンと豪ウッドサイド・ペトロリアムの合弁企業(JV)である。
『ロイター通信』(3月1日付)は、米シェニエール・エナジーが計画するコーパス・クリスティLNGで2018年末までにLNGの生産を開始する見通しと報じた。プロジェクトの進捗度は現在、82.7%で、第1系列が2019年上期、第2系列は同年下期に完成するという。
サイト『スカイ・ニュース』(3月8日付)によると、米ブラックストーン・グループと英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルは、豪BHPビリトンが米国に保有するエネルギー資産の買収で入札したと伝えた。対象となるのは、テキサス州パーミアン盆地のシェール鉱区。入札額は100億ドルという。