英自動車製造販売協会(SMMT)は2月27日、ディーゼル車の削減計画と電気自動車(EV)の導入の遅れから2021年の二酸化炭素(CO2)排出量の削減目標の達成が困難になるとの見通しを発表した。2017年のCO2排出量は前年比0.8%増の121グラム/キロメートルで、20年ぶりに前年実績を上回ったという。

自動車市場調査のジェイトー・ダイナミクス(本部:英アクスブリッジ)によると、欧州の2017年のディーゼル自動車の登録台数は676万台で、前年比で7.9%減少したという。結果として、ガソリン車の比率は増加した。特にスポーツ用多目的車(SUB)の増加が目立っているという。

他方、英BPは2月20日、エネルギーアウトルックを発表した。それによると、2040年時点のEVの占有率は15%(3億台に相当)、乗用車の走行距離ベースで30%に達すると予測した。2040年までに輸送部門の需要は倍増するものの、自当社の燃費効率が向上するため、エネルギー需要の伸びは25%にとどまるとした。輸送部門では、天然ガスや電力などの代替燃料が伸びるが、石油の占有率は85%と、依然として高い水準にあるとしている。

このほか、米エネルギー省(DOE)は2月19日、米国でアイドリング・ストップ・システム(燃費向上するための技術)を装備した自動車の販売台数が増加傾向にあると発表した。2017年のアイドリング・ストップ車(ハイブリッド車を除く)の販売シェアは14.2%で、16年の9.1%から大きく上昇したという。中でも小型トラックの伸びが顕著で、16年の10.4%から17年には20.2%と倍増した。

ところで、サイト『グリーン・カー・コングレス』(2月22日付)などによると、米カリフォルニア大学リバーサイド校ボーンズ・カレッジ・オブ・エンジニアリングなどの研究チームが、触媒化ガソリン粒子フィルター(GPF)は、PMやブラックカーボンの削減だけでなく、多環芳香族炭化水素(PAH)の減少にも有効であるとの研究結果を専門誌に寄稿したと伝えた。GPFは、燃費やCO2排出量に悪影響を与えないとしている。