規制当局のカナダ-ニューファウンドランド・ラブラトル洋上油田委員会(C-NLOPB)は1月17日、ハスキー・エナジーがニューファウンドランド・ラブラトル州沖合で手がける浮体式の生産・貯蔵・出荷設備(FPSO)の操業で一時停止を命じたと発表した。このFPSOの名称は「シーローズ」(能力は日量2万7,000バレル)。操業停止の理由について、C-NLOPBは、氷山保護プランに違反した疑いがあるとした。今後、ハスキーが提出する対応策が受理されるまで、操業が停止となる見通しという。

その後、C-NLOPBは1月26日、操業の一時停止を命じていたハスキーのFPSO操業について「これを解除した」と発表した。前述したとおり、当局に提出した再発防止策が受理されたためだ。これにより、ハスキーはホワイトローズなどの鉱区で操業を再開したようだ。

他方、米調査会社は1月30日、今後10年間にカナダのオイルサンド(油砂)生産量が増加すると予測した。ただ、投資額は過去の実績を下回る見通しとしている。同社は、今回の判断について、オイルサンド生産は稼働した後に原油価格の変動要因を受けにくく、投資分が増産活動に直結することが根拠としている。

このほか、仏トタルは1月29日、カナダ・アルバータ州北部のフォートヒルズ・オイルサンド計画で、原油の生産活動を開始したと発表した。今後、数カ月の間に生産量を日量18万バレルまで引き上げる予定としている。フォートヒルズ・プロジェクトにおける権益比率は、カナダのサンコー・エナジーが53.06%、テックが20.89%、トタルが26.05%となっている。

ところで、1月初旬、カナダのニューブランズウィック州セントジョン市で、アービング・オイルが運営するブタンのパイプラインが破裂し、ブタンが漏れ出す事故が発生した。近隣住民や付近の企業の従業員らは避難し、道路の一部が閉鎖されたという。1月8日付のサイト『CBCニュース』などが報じた。