米エネルギー情報局(EIA)は1月26日、アパラチア盆地のシェール開発で、米ペンシルベニアやオハイオ、ウエストバージニア3州の天然ガス生産量が増加していると発表した。これら3州での天然ガス生産量は2008年の日量14億立方フィートに対し、2017年は同240億立方フィートに増加したという。その結果、全生産量に占めるシェアが、2%から27%に拡大した。発電向けの需要量は、同5億立方フィートから19億立方フィートに増加したとしている。
また、米国の天然ガス価格の見通しについて、EIAは指標となるヘンリーハブ価格を2018年が2.88ドル/MMBtu、19年が2.92ドル/MMBtuと予測した。2017年は2.99ドル/MMBtuだった。
他方、EIAは1月30日、2016年の米国における水圧破砕工法(フラクチャリング)による水平掘削井は、国内の全石油・天然ガス掘削井の69%、掘削距離の83%を占めたと発表した。EIAは、水圧破砕工法と水平掘削がエネルギー開発の主流となったことが、米国内での原油・天然ガス生産増につながっているとした。
EIAはまた、2017年8月後半から9月にかけて米メキシコ湾を襲ったハリケーンの影響で、同地区での製油所の操業率が低下し、復旧前に原油輸出施設の操業再開で、米国の原油輸出量が過去最高を記録したと発表。2017年10月の原油輸出量は日量170万バレルに上ったという。
このほか、ティラーソン米国務長官は1月末、ロシアとドイツを結ぶ「ノルド・ストリーム2」天然ガスパイプライン建設について、欧州のエネルギー安全保障の脅威となるとの見解を示した。『ロイター通信』(1月27日付)などによると、米国は、ポーランドやウクライナ、バルト海沿岸諸国のロシア産ガスの依存度が高まると懸念しているという。