JCCP国際石油・ガス協力機関は1月25日、都内で「進展する石油企業改革-課題と将来-」と題するシンポジウムを開催した。アラブ首長国連邦(UAE)など中東諸国をはじめとするエネルギー産業の関係者が一堂に会した。この中、「脱石油」政策を進め、再生可能エネルギー導入にシフトする動きが目立った。UAEのアブダビ・ポリマーズ・カンパニーのファーティマ・アルヌアイミ上級副社長は、UAEのエネルギー政策を紹介するとともに、アブダビ国営石油会社(ADNOC)関連企業の新規株式公開(IPO)の可能性にも言及した。アルヌアイミ氏は、ADNOC液化天然ガス(LNG)会社の役員を兼務しているという。
UAEは2017年夏、エネルギー開発事業について2050年までに約1,900億ドルの節減を骨子とする「新エネルギー戦略」を発表済みだ。目標を達成するためには、発電エネルギーの50%をクリーンエネルギーに転換する必要があるとしている。
また、最近のUAE関連のニュースでは、1月17日付のサイト『トレード・アラビア』などが、アブダビのマスダールとBee’ahが、UAEのシャールジャ首長国の廃棄物発電(WTE)プロジェクトを受注したと伝えている。プラントの発電能力は30メガワット(MW)で、都市から出るゴミ30万トン/年を処理することが可能であるという。
このほか、スペインのセプサとアブダビのマスダールは1月18日、再生可能エネルギープロジェクトを共同で実施することに合意したと発表した。両社は、欧州をはじめ、米大陸やアフリカ、中東地域を中心に事業開発に乗り出すとしている。
他方、UAEの石油・天然ガス開発では、ADNOCがベクテルとハイル・ガーシャ天然ガス田、テクニップFMCとダルマ天然ガス田開発で、それぞれ基本設計役務(FEED)を締結したと発表した。
また、ADNOCは1月24日、インド国営石油ガス会社(ONGC)からムンバイ沖のラトナ海洋石油・天然ガス田の生産設備を受注した。サイト『トレード・アラビア』が報じた。