トルコの天然ガス供給会社であるバスケントガスの幹部は、2018年に同社の新規株式公開(IPO)を実施するとの見通しを示した。1月19日付の『ロイター通信』などが報じた。バスケントガスは2017年、同社の株式28.75%を放出する方針を「キャピタル・マーケッツ・ボード・オブ・ターキー」(資本市場評議会)に申請していたという。

他方、トルコの運輸相は1月半ば、ボスポラス海峡と並行するイスタンブール運河建設プロジェクトを2018年中に取りかかるとの意向を示したという。マルマラ海と黒海をつなぐことで、ボスポラス海峡の運航量の混雑を解消するのが狙いのようだ。ただ、建設費用などの詳細については明らかにしていない。

また、ロシア国営ガス会社のガスプロムは1月15日、トルコ領の黒海に敷設する天然ガスパイプライン「ターキッシュ・ストリーム」(TS)建設プロジェクトに約32億ドルを投資すると発表した。このほか、ロシアとドイツをつなぐ天然ガスパイプライン「ノルド・ストリーム2」に20億ドルを投資することも明らかにした。

これに対し、トルコ政府は「ターキッシュ・ストリーム」のトルコ沿岸部の建設を承認したと、1月21日付のサイト『パイプライン』が伝えた。ガスプロムのミラー最高経営責任者(CEO)は、ロシア及びトルコの陸上部分と、黒海における建設計画は順調とした上で、2019年末までに完工するとの見通しを示したという。

米エネルギー情報局(EIA)は国別レポートで、トルコはロシア・中央アジア・中東から欧州や大西洋市場への石油・天然ガス輸送の中継地として重要性を増していると指摘。トルコの原油確認埋蔵量は、3億1,200万バレル(2016年1月現在)。15年の原油類(原油・コンデンセートなど)の生産量は日量6万2,000バレルで、国内石油消費量は日量86万バレル。15年の原油の輸入先は、イラクとイランで、全輸入量の約6割を占めたという。国内6カ所にある製油所の総精製能力は日量66万3,000バレル(16年1月現在)。

一方、トルコにおける天然ガスの確認埋蔵量は1,770億立方フィート(2016年1月現在)。15年の天然ガス生産量は140億立方フィートに対し、消費量は1兆7,000億立方フィートだった。EIAは、ロシアからの天然ガス輸入が全消費量の56%を占めたと報告している。