米エクソンモービルは2017年12月14日、ブラジル国営石油会社のペトロブラスと、世界各地における石油開発プロジェクトに関連し、共同実施することで合意したと発表した。原油・天然ガス探査や生産活動のほか、石油化学分野での合弁事業(JV)設立を予定している。
他方、ペトロブラスは2017年12月半ば、18年6月に予定するプレソルト鉱区の入札で、3鉱区(ドイス・イルマンス、トレッス・マリアス、ウィラプル)について、優先買取権(FRR)を行使すると発表した。
仏トタルは2017年12月18日、ブラジル沖合のサントス海盆にあるリブラ鉱区で次回予定するフェーズ開発の最終投資判断(FID)を下したと発表した。浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)を建設し、リブラ鉱区の本西部にある17井を掘削する見通しだ。権益比率は、ペトロブラスが40%、トタルが20%、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが20%、中国海洋石油(CNOOC)と中国石油天然ガス集団(CNPC)がそれぞれ10%ずつとなっている。
このほか、ノルウェーのスタットオイルは2017年12月13日、ペトロブラスからブラジル沖合のカンポス海盆にあるロンカドル油田の権益25%を約28億5,000万ドルで取得したと発表した。この油田の可採埋蔵量は原油換算で約10億バレルとされる。今回の権益取得により、スタットオイルのブラジルにおける生産量は日量4万バレルから同11万バレル(いずれも原油換算)に増加する。
ところで、米エネルギー情報局(EIA)は2017年12月半ば、ブラジルにおける同年1~8月の原油類(コンデンセートを含む)生産量が日量330万バレルで、前年同期比で同10万バレル増加したと発表した。16年のプレソルト層の原油生産量は前年比33%増の日量102万バレルだった。プレソルト層での原油生産量は2009年から急増しているという。ちなみに、ブラジルの原油生産量は世界第9位という。