仏トタルは11月27日、ブラジル沖合のリブラ鉱区で原油生産を開始したと発表した。ブラジル国営のペトロブラスが主導するコンソーシアムが開発するリブラ地区の、浮体式プラットフォーム(FPSO)「パイオニア・リブラ」(生産能力は日量5万バレル)で生産する。トタルは2基目のFPSO導入にかかわる最終投資決定(FID)をまもなく下すとした。
一方、ペトロブラスは11月17日、バイーア州とリオグランデ・ド・ノルテ州の北東部に位置するミランガなど3油田売却の公募で、入札資格を持つ企業に対し、対象鉱区のデータを開示すると発表。3油田の売却は、ペトロブラスが進める負債削減の一環とされる。
資産売却に関し、ペトロブラスは、子会社のペトロブラス・オイル&ガス(POGBV)の売却を公表済みだ。POGBVは現在、ナイジェリア沖合の深海鉱区で開発事業に参加している。2018年末に生産を開始する予定のアクポ油田などや、評価プロセスにあるプレオウェイ油田の権益を保有しているという。
ところで、米エネルギー情報局(EIA)は11月21日、ブラジルの国別レポートの内容を更新し、その内容を発表した。それによると、ブラジルは世界第8位のエネルギー消費国で、世界第9位の液体燃料生産国である。原油の確認埋蔵量は130億バレル(2017年1月現在)で、ベネズエラに次いで南米第2位。原油埋蔵の約94%はオフショアに点在する。
他方、2016年の液体燃料の生産量は日量323万バレル、このうち、原油が同250万バレル、バイオ燃料が同56万バレルなどとなっている。原油輸出量は前年比8%増の日量79万8,000バレル。最大の輸出先は中国で、日量29万6,000バレル(前年比17%増)だった。
2016年の石油製品の輸入量は日量48万8,000バレル。また、国内全17製油所の総精製能力は日量230万バレル。また、ブラジルは米国に次ぐ世界第2位のエタノール生産国および消費国で、16年のエタノール生産量は前年比6.7%減の日量49万4,000バレルだった。
一方、天然ガスの確認埋蔵量は15兆立方フィート(2017年1月現在)。16年の生産量は8,270億立方フィートで、輸入量は前年比30%減の4,700億立方フィートだった。2016年の天然ガスの消費量は約1兆3,000億立方フィート。