ロシア国営石油会社のロスネフチは11月16日、オホーツク海の大陸棚にあるチャイヴォ油田のオーラン・プラットフォームで、1万5,000メートルの水平掘削を完了したと発表した。チャイヴォは「サハリン-1」プロジェクトの3油田の一つ。他は、オトブツ、アルクトウーン・ダギの2油田。
ロスネフチはまた、中国華信能源(CEFC)と5年間で6,080万トンの原油輸出契約に合意した。11月20日付の『ロイター通信』によると、CEFCへの原油輸出は、2018年1月1日から開始するという。CEFCは9月半ば、ロスネフチの株式14.16%をスイスのグレンコアと、カタール政府系ファンドのカタール投資庁から計91億ドルで取得することに合意していた。ロスネフチはこのほか、中国・海南省の石油化学プロジェクトで、CEFCと共同で事業化調査(FS)に乗り出すことに合意済みだ。
このほか、ロスネフチは11月20日、子会社のペトロカス・エナジーが、ギリシャのモーター・オイル・ヘラス・コリントス・リファイナリーズ(MOHC)と、5年間にわたる原油・石油製品の相互供給に合意したと発表した。供給量は、最大で年間750万トン(日量ベースで15万バレル)という。ペトロカスは、MOHCのコリントス製油所(精製能力は日量18万バレル)で製造される石油製品の販売活動にも乗り出す。
他方、米シカゴの橋梁鉄工会社であるCB&Iは11月初旬、ロシアのルクオイルからニジニ・ノヴゴロド製油所(精製能力は日量21万バレル)の近代化プロジェクトで、設計・調達・機器設備の供給役務を受注したと発表した。機器設備には、石油精製に使用される熱分解装置(ディレードコーカー)のヒーター2基などが含まれるとしている。
ところで、米エネルギー情報局(EIA)は11月半ば、ロシアが2016年に原油・コンデンセートを日量520万バレル、石油製品を同240万バレル輸出したと発表。原油類および石油製品の輸出量は、ロシアにおける液体炭化水素の全生産量のうち70%に相当するとした。また、ロシアの原油輸出先の7割は、オランダ、ドイツ、ポーランド、ベラルーシなど欧州諸国向けで占められるという。ちなみに、中国向け原油輸出量は18%を占め、日量95万3,000バレルだった。