『ロイター通信』は11月9日、テキサス州で米国産原油60万バレルを積載したタンカーが、ポーランドのグダニスク港に到着したと報じた。ポーランド国営ロトスが購入したという。ポーランド向けに米国産原油が輸出されるのは、今回が初めてとなる。ロシア原油や天然ガスの依存度を減らすポーランドと原油輸出を増やしたいとする米国側との思惑が一致したとみられる。

他方、米エネルギー情報局(EIA)によると、2017年の米国の軽油輸出量が増加している。7月には、月間ベースで過去最高となる日量170万バレルを記録したという。ただ、8月については、ハリケーン「ハービイ」の影響で、日量140万バレルに留まった。輸出先の国別1位はメキシコで日量22万8,000バレル、2位はブラジルの同18万3,000バレル、以下、オランダの同10万2,000バレルなどと続く。EIAは、軽油と原油の価格差の拡大、輸出需要の増加によってメキシコ湾岸の製油所稼働率を引き上げていると分析した。

EIAはまた、2015年の米国における石炭由来の二酸化炭素(CO2)排出量が2014年比で2億3,100万トン減少したと公表。減少分の約6割をテキサス、インディアナ、オハイオ、イリノイなど10州で占められたという。石炭火力発電から天然ガス発電へのシフトが進んだことが、排出量の削減につながった要因とした。

EIAはこのほか、北米におけるCO2の回収・貯蔵(CCS)プロジェクトの状況について報告している。それによると、CCSシステムを備えた商業稼働発電プラントの1基目はカナダ・サスカチュワン州バウンダリーダム発電プラントで、2基目が米テキサス州ヒューストン近郊のペトラ・ノヴァ石炭火力発電所という。3基目となる予定だった米ミシシッピ州ケンパー郡の発電プラントは、天然ガス発電で稼働しているため、2017年6月にCCSプロジェクトを中断した。

対ロシア関連では、米財務省の海外資産管理室(OFAC)が、ロシア制裁法の改正案を発表し、深海・北極海・シェールブロジェクト探査・生産にかかわるロシア企業に米企業の支援を禁止する内容となったことが判明している。