金融危機に直面する南米ベネズエラでは、国営石油会社のPDVSAがインド国営石油ガス会社(ONGC)に対する負債返済について、現金でなく、原油で代替返済を申し出ていることが明らかとなった。11月15日付の『ロイター通信』によると、PDVSAは2016年11月、ONGCから5億3,700万ドルの融資を受けたとされ、このうち8,800万ドルを返済済みで、4億4,900万ドルが未返済という。PDVSA債はすでに債務不履行(デフォルト)との情報が伝わる中、ベネズエラ経済は引き続き厳しい状況に置かれている。(国旗はベネズエラ)
一方、ブラジル国家エネルギー政策審議会(CNPE)は11月9日、海洋石油・天然ガス鉱区にかかわる2018年の入札予定日を公表した。それによると、サントス・カンポス海盆を含むプレソルト鉱区の第4ラウンドが18年6月7日、プレソルト以外の70鉱区の第15ラウンドは、それに先立ち、同3月29日に実施されるとした。
ハネウェルUOPは11月初旬、チリ国営石油・天然ガス会社(ENAP)が運営するビオビオ製油所が、ハネウェル製の水素化脱硫触媒(HYT-6219)の使用を開始したと発表した。ビオビオ製油所ではこれまでもHC-130など、UOPの水素化分解触媒を使用してきたが、HYT-6219は触媒の性能向上、耐久年数の延長に資するとされる。
メキシコ国営石油会社のペメックスは11月3日、メキシコ・ベラクルス州南東部のコサマロアパン近郊で、過去15年で最大級となる陸上原油の埋蔵層を発見したと発表。埋蔵量は約3億5,000万バレルとされる。ペメックスは、近くにある既存インフラを利用することで、速やかに開発作業に着手することが可能との見方を示している。
このほか、アルゼンチンでは、国営YPFが米シェブロンとヴァカ・ムエルタ州のシェール層で、2018年に5億ドルの追加投資を計画していることが判明した。また、米エクソンモービルは10月末、アルゼンチンのネウケン州政府が、ロス・トルドスⅠサウス・ブロック鉱区の35年間にわたる開発権を認可したと発表済みだ。エクソンモービルは、試掘作業の後、フル稼働時に日量1,100万立方メートルの天然ガス生産を目指すとしている。