今回は、ブラジルにおける最近のエネルギー動向を取り上げる。国営石油会社のペトロブラスが海外企業との事業提携で合意したほか、権益売却に関する情報が伝わっている。
ブラジル石油庁(ANP)は10月27日、ブラジル沖合のプレソルト石油・天然ガス鉱区での第2、第3ラウンドの落札企業を発表した。公募した8鉱区のうち、6鉱区に入札があったという。落札企業の総投資額は310億ドルとされる。
一方、ペトロブラスは10月31日、英BPとの戦略的事業提携に合意したと発表。上流部門での開発・生産活動、下流部門での精製・輸送・販売など、提携の範囲は多岐にわたるという。
また、ペトロブラスは10月4日、鉱区権益の売却に関する入札に向け、新たな追加情報を関係先に送付したと発表した。入札対象となるのは、セアラー、セルジッペ、リオグランデ・ド・ノルテ、リオデジャネイロ、サンパウロの5州の沖合にある計7鉱区という。
ペトロブラスは9月29日、ノルウェーのスタットオイルと、ブラジルでの天然ガス共同開発事業にかかわる協力強化に合意したと発表した。カンポス海盆での原油生産の拡大や、天然ガス開発と生産活動に取り組むとした。
米エクソンモービルは10月27日、ノルウェーのスタットオイルがブラジルで運営するカーカス油田(BM-S-8鉱区)の権益33%を約13億ドルで取得することに合意したと発表した。この鉱区は、リオデジャネイロ沖合約320キロメートルに位置する。
このほか、『ウォール・ストリート・ジャーナル』などは、リヨンデルバセル・インダストリーズがブラジルの化学メーカーであるブラスケムを買収すると報じた。それによると、買収額は推定で約100億ドルとみられている。