今回は、地中海に面するレバノン、ギリシャ、トルコ、イスラエル、エジプトに関連するエネルギー動向に関する最近のニュースを取り上げる。(国旗はギリシャ)
レバノンのハリル・エネルギー相は10月半ば、同国沖合の海洋石油・天然ガス開発権にかかわる1回目の公募が終了し、仏トタル、イタリア炭化水素公社(ENI)、ロシアのノバテクで構成されるコンソーシアムが2鉱区(ブロック4、9)に入札したことを明らかにした。2017年1月に沖合5鉱区を対象に公募が実施されたものの、今回は前出の2鉱区しか入札がなかったという。レバノンではそもそも、国内事情の関係で入札実施が3年ほど遅れていたそうだ。
他方、ギリシャ国営天然ガス企業のDEPAは10月12日、天然ガス会社のガストレードが計画するギリシャ北部のアレクサンドロポリス液化天然ガス(LNG)ターミナルプロジェクトに参加すると発表した。アレクサンドロポリスLNGは、ギリシャ国内で2番目のターミナルで、能力は年間61億立方メートルという。欧州地域を中心に天然ガスを輸出する計画だ。
トルコのアルベイラック・エネルギー相は、2017年中に地中海での原油・天然ガス鉱区の掘削作業を開始し、2018年にはさらに大深度で掘削する見通しであることを明らかにしたという。10月11日付の『ロイター通信』が報じた。報道によると、トルコやキプロス沖合のほか、黒海で試掘作業を実施する計画としている。
ギリシャの石油・天然ガス開発会社のエネルギアン・オイル&ガスは10月30日、子会社のエネルギアン・イスラエルが、イスラエルの電力会社であるエデルテックの子会社(ドラド・エナジーなど3社)とイスラエル沖合のカリッシュ・タニン天然ガス田のガス売買契約を締結したと発表した。
このほか、アフリカにおける英BPの開発子会社のトップが10月下旬、同社のエジプトにおける原油・天然ガス生産量を現在の日量10万バレル(原油換算)から2020年までに日量約35万バレル(同)に増強するとの見通しを示したという。10月24日付の『ロイター通信』などが伝えた。