南米ペルーのクチンスキ大統領は10月9日、米アナダルコ・ペトロリアムが、ペルー北部で予定する海洋石油鉱区の開発事業に約2億ドルを投じる見通しと発表した。開発対象は、ランバイエケ県とラ・リベルタ県の沖合に位置するブロックZ-61~Z-63の3鉱区で、水深は約1,000メートルという。(国旗はエクアドル)

一方、ペルー国営のペトロペルーは10月11日、カナダのフロンテラ・エナジーと、アマゾン鉱区(ブロック192)の原油生産の契約を更新しないと発表した。ペトロペルーは契約条件で合意できなかったとしている。今後、フロンテラ以外の企業と契約交渉する見通しだ。フロンテラは同鉱区の原油生産を2年間実施したという。契約は2019年に期限切れとなる。

一方、『ロイター通信』(10月9日付)は、中国石油化工(SINOPEC)がアルゼンチンのサンタクルス州に保有する原油・天然ガス資産の売却を検討していると報じた。売却先の候補として、アンゴラ国営ソナンゴル、ロシア国営ロスネフチ、メキシコのビスタオイル&ガスなどが挙がっているという。

このほか、米エネルギー情報局(EIA)は10月5日、南米エクアドルの国別レポートを更新、その内容を発表した。EIAによると、エクアドルの原油の確認埋蔵量は83億バレル(2017年1月現在)で、前年(16年1月現在)と同水準だったとした。ベネズエラ、ブラジルに次ぐ南米第3位の埋蔵量を維持している。2016年の原油生産量は日量54万8,000バレルで、約70%が輸出に振り向けられた。最大の輸出先が米国(日量23万7,000バレル)で、以下、チリ、ペルー、中国と続く。16年の国内消費量は日量27万4,000バレル。国内3製油所の総精製能力は日量17万5,000バレルという。他方、天然ガスの確認埋蔵量は3,850億立方フィート(2017年1月現在)。16年の天然ガス生産量は日量180億立方フィート。

ところで、米シンクタンクのアトランティック・カウンシルは10月初旬、米ワシントンで会合を開催し、南米大陸のいくつかの国々で米国からの液化天然ガス(LNG)輸入が重要な役割を果たすとの見解で一致したと発表した。この中、米国務省エネルギー資源局の担当者は、米国からのLNG輸出開始が南米諸国のエネルギー政策の見直しに影響を及ぼすとの見方を披露したという。