南米ブラジルでは最近、国内の石油・天然ガス鉱区にかかわる入札が活発に実施されている。今回は、ここ数か月に公表された入札情報や落札結果などを取り上げる。また、国営ペトロブラスの民営化に関する政府閣僚の発言が注目されている。
ブラジル国家石油庁(ANP)は9月末、石油・天然ガスの計287鉱区にかかわる入札結果を発表した。それによると、8カ国20企業が入札し、17社(国内10社、海外7社)が落札した。このうち、カンポス海盆では、米エクソンモービルが2鉱区、ブラジル国営ペトロブラスとエクソンモービル連合が6鉱区を落札した。ANPは、2018年1月末までに全契約が締結する見通しとしている。
ペトロブラスは10月、国内鉱区の権益売却にかかわる入札に向け、追加情報を関係企業に送付したと発表した。対象となるのは、セアラ、リオグランデ・ド・ノルテなど7州の沖合に位置する7鉱区としている。
また、ペトロブラスは9月末、ノルウェーのスタットオイルとともにブラジル国内における天然ガスの共同開発事業の推進強化に合意したと発表した。ペトロブラスはニュースリリースで、今後、カンポス海盆の成熟鉱区の原油増産や、BM-C-33と呼ばれる鉱区などで天然ガスの開発・生産活動に取り組む姿勢を示した。
他方、ペトロブラスは100%子会社のTAG株式90%を売却する方針も明らかにしている。TAGは天然ガス輸送事業を手がけ、国内でパイプライン(全長約4,500キロメートル)を運営しているという。
ところで、ブラジルのフェルナンド・フォルホー鉱山・エネルギー相は10月初旬、民営化した国営電力会社のエレトロブラスの事例を引き合いに、ペトロブラスの民営化が長期的には実現可能との見解を示したという。サイト『マーケッツ・インサイダー』などが報じた。ブラジル株式市場では10月3日、フォルホー発言を受け、ペトロブラス株が買われ、ボベスパ株価指数の大幅上昇につながったという。