今回は、BPやロイヤル・ダッチ・シェルなど、英エネルギー企業の最近の開発動向について取り上げる。
英BPと英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルの最高経営責任者(CEO)は9月初旬、英国領北海でのエネルギー開発を継続するとの見解を示した。『ロイター通信』などによると、英国スコットランドのアバディーンで開催された米国石油技術者協会(SPE)主催のコンファレンスで両首脳が述べたという。シェルのベン・ファンブールデンCEOは、英国領の大陸棚に原油・天然ガスが200億バレル(原油換算)埋蔵されているとの見方を示したのに対し、BPのボブ・ダッドリーCEOは、北海において今年末までに新たに6井で探査・掘削を実施すると発言したとされる。
一方、9月14日付のサイト『タイムズ・オブ・マルタ』によると、アゼルバイジャン政府は、同国のACG油田の生産分与契約(PSA)にかかわる期限を現行の2024年から2050年まで延長することで、国営ソカールと英BP、米シェブロンから構成されるコンソーシアム(複合企業)が合意したと報じた。これによって、アゼルバイジャン政府は36億ドルの収入を得るという。ソカールは今後、ACG油田の権益比率を25%(現在は11.65%)に引き上げる見通しだ。ACG油田の原油埋蔵量は5億トンとされる。
また、BPは9月25日、オマーンのカザン天然ガス田ブロック61鉱区のガス生産活動を予定より早く開始したと発表した。BPは、オマーン国営石油会社(OOC)の子会社であるOOC探鉱・開発会社(OOCEP)と同鉱区を共同開発している。権益比率はBPが60%、OOCEPが40%。BPによると、カザン天然ガス田の可採埋蔵量は推定10兆5,000億立方フィートで、生産量は日量約15億立方フィートという。
英国のアイルランド系石油・天然ガス会社であるアミネックスは9月初旬、タンザニアのルブマ堆積盆地のNtorya天然ガス田の推定埋蔵量を当初の4,660億立方フィートから1兆3,000億立方フィートに引き上げたと発表した。地震探査データの再評価に加え、掘削井での試掘結果に基づき、埋蔵量の見直し作業を実施した。