豪州公正取引委員会(ACCC)は9月20日、天然ガスの供給不足が電力供給を悪化させているとする、ロッド・シムス委員長の声明を紹介した。ACCCは現在、天然ガス会社の国内における供給や、輸出の状況を調査しているとし、その結果を踏まえ、2018年の液化天然ガス(LNG)輸出に制限をかけるかを判断するとしている。

他方、豪連邦政府のマルコム・ターンブル首相は9月27日、豪オリジン・エナジーや豪サントスなどが、国内向け天然ガスの供給を確約したことを明らかにした。『ロイター通信』などによると、オリジンやサントスなどは豪政府から2年間にわたる国内優先供給を要請されたという。供給の順守を証明するため、企業側は公正取引委員会に報告する義務があるという。電力運用者の豪エナジー・マーケット・オペレーター(AEMO)はこれまで、国内向けの天然ガス供給が2018年に54ペタ・ジュール(PJ)不足するとの見通しを示していた。さらに、悪天候などによっては、107PJが不足する可能性に言及した。

こうした状況下、サントスは、クイーンズランド(GLD)州カーティス島のグラッドストーンLNGプロジェクト(GLNG)に関連し、これに参加する企業との間で、2018~19年に豪州の東海岸向けに30PJを供給することに合意済みだ。サントスによると、2年間にわたり、33万世帯の電力需要を賄えるとしている。

他方、豪ビーチ・エナジーは9月28日、オリジン・エナジーの子会社であるラティス・エナジーを約12億5,000万ドルで買収することに合意したと発表。これにより、ビーチ・エナジーの原油・天然ガス埋蔵量が現在の2倍規模の2億3,200万バレル(原油換算)になるという。オリジン・エナジーは売却益を債務の削減に充当する予定だ。

このほか、サントスは、オリジン・エナジーと共同で、今年から2019年にかけて、ポリエチレンメーカーの豪クエノスにエタン27PJを供給することに合意したと発表。サントスが製造したエタンをパイプラインで、シドニー南部のボタニー湾にあるクエノスの石油化学プラントに輸送するという。9月8日付のサイト『LNGワールドニュース』などが報じた。