ロシアがエネルギー分野で各国との協力関係を強化している。サイト『プレスTV』によると、8月半ば、プーチン大統領がイランのロウハニ大統領と電話会談し、石油・天然ガス・電力・輸送などの分野で共同プロジェクトの可能性について話し合ったとされる。
また、ロシアとイラクのエネルギー相が今夏、モスクワで会合し、エネルギー分野での共同事業について協議した。サイト『トレード・アラビア』などによると、ロシアのノバク・エネルギー相が両国間の経済協力をさらに推進するとの見解を示したという。
他方、ロシアのラブロフ外相は8月半ば、モスクワを訪問した南米ボリビアのママニ外相と会談し、エネルギー分野における協力関係の強化で一致した。天然ガスや原子力、再生可能エネルギー、石油化学などの分野で協議が行われたという。
このほか、ロシア国営のロスネフチは9月3日、中国のCEFCチャイナエナジーと、シベリア地方のエネルギー共同事業で合意したと発表した。シベリア東部や西部における開発プロジェクトの事業化調査(FS)や、ロシア国内での石油精製や石油化学事業などを共同で実施する見通しだ。
ところで、ロシア国営ガスプロムの幹部は8月末、同社による「ノルド・ストリーム2」天然ガスパイプライン計画について、米国による対ロシア経済制裁はプロジェクトの妨げにならないとの見解を示した。また、資金調達の面などで支障はなく、プロジェクト継続を強調したという。8月30日付の『ロイター通信』などが報じた。
ガスプロムはまた、ハンガリーなど欧州向け天然ガス輸出量が増加していることを明らかにした。2017年1~8月の天然ガス輸出量は、ハンガリー向けが前年同期比で26.6%増、セルビア向けが同36.7%増などとなったとしている。