スペインのエネルギー大手であるガス・ナチュラル・フェノーサは8月3日、国内における天然ガス供給網の20%をカナダ公的年金投資委員会(CPPIB)と、ドイツの投資会社であるアリアンツ・キャピタル・パートナーズのコンソーシアムに15億ユーロで売却することに合意したと発表した。売却益を今後の投資資金に充当するとしている。
2020年に船舶燃料の硫黄濃度が0.5%以下に規制されるのを前に、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルが独ラインラント製油所のヴェッセリンクプラント(能力は日量14万バレル)で脱硫装置の増強に乗り出すことが判明した。8月4日付の『ロイター通信』によると、重質残渣油脱硫能力を増強するとともに、軽質石油製品の増産も図るという。
一方、オーストリアの石油・天然ガス企業であるOMVは8月2日、チュニジアのアシュタート油田の保有権益50%を英ペレンコルに売却すると発表した。売却額は明らかにされていない。2016年のアシュタート油田の原油生産量は日量3,000バレル(原油換算)。ちなみに、残り50%の権益はチュニジア国営石油会社(ETAP)が保有する。
8月6日付の英紙『インディペンデント』によると、英国が1世帯あたりの電力コストを欧州で最も低くすることを目標に電力価格体系の見直しに着手するという。英政府は、電力価格の値下げと二酸化炭素(CO2)排出量の削減の達成を両立させるとしている。目標値などは公表されていない。
このほか、ギリシャ国有資産の民営化を管理する資産開発基金(HRADF)は8月7日、国営天然ガス供給会社(DESFA)の株式65%の売却に6社が入札したと発表した。ギリシャ政府はこれまで、アゼルバイジャン国営石油会社のソカールがDESFAを落札したものの、買収まで至らなかった経緯があり、今回、入札をあらためて実施した。
また、ギリシャ政府は8月7日、イオニア海とクレタ島沖合の石油・天然ガス開発の入札を開始したと発表。入札期限は通知書の発行日から90日以内とされる。