米シェール企業の第2四半期決算が出揃った。多くの企業が減収・減益で着地。第1四半期の黒字確保から一転した。WTI原油(期近限月)の平均価格が前期の51.78ドル/バレルから、今期には48.15ドルへ下落したことが大きく響いている。リム総研が調査した企業31社の中で、増収・増益を確保したのは4社のみ。多くの企業が新規投資計画を抑制するなど、一度は好転し始めていた経営者マインドはにわかに冷え込んできた。生産量も31社合計で日量260万1,000バレルと前期比3万9,000バレルの微増に留まる一方、長期有利子負債も21社で増加した。米エネルギー情報局(EIA)が報告した同時期の原油生産増加量は同37万バレルだったことから、増産の多くは在来型の油田であった可能性が大きい。2016年6月以降、原油価格は1年以上に亘って何度となく50ドルの大台から、短期間で反落を繰り返してきた。WTI原油とシェール企業株価の比較、キャッシュ比率の高まり、投資減少、ヘッジ数量の水準からみると、減産はすでに始まり、「51~52ドル」の壁を上抜くか注目される。
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