730日付のサイト『イラン・デイリー』によると、イランのザンギャネ石油相は、イラクと原油パイプラインの新設プロジェクトに合意したことを明らかにした。合意内容には、イラク産原油をイランの製油所で精製することも含まれているそうだ。両国は今後、イラクのキルクーク油田とイランとを結ぶ原油パイプライン建設にかかわる事業化調査(FS)を実施する予定だ。国際エネルギー企業を起用するという。

 イラン国営石油会社(NIOC)は、321日から始まったイラン暦の最初の4カ月間に石油・天然ガス田の54井で掘削した。NIOCの石油掘削装置(リグ)数は軽質原油4基、重質・超重質原油71基、海洋リグが3基となったという。727日付のサイト『トレード・アラビア』が報じた。

 一方、『イラン・デイリー』は81日、ケルマーン州にイラン最大級のソーラー発電施設(モクラン・ソーラー・パワー・プラント・コンプレックス)が完成したと報じた。設備は出力10メガワット(MW)のプラント2(ソーラーパネルを約76,900枚使用)で、敷地面積は44ヘクタール。スイスの再生可能エネルギー会社であるドュリオン・エナジーが2,700万ドルを投資し、独アドーレの支援を受けて建設した。

 また、イラン石油省が管轄する報道機関『シャーナ』は723日、国営石油化学会社(NPC)が、仏トタル、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルとともにイラン国内での石化プラント計画の事業化調査(FS)の実施に合意したと発表した。

 さらに、イラン国営石油精製販売会社(NISOC)の経営幹部は718日、今年第4四半期もしくは来年第1四半期にフーゼスターン州の油田開発プロジェクトの入札を実施する方針を示した。同日付の『シャーナ』が伝えた。1回目の入札は、シャーデガーン油田(日量7万バレル)を予定しているという。

 このほか、サイト『IRNA(725日付)によると、イラン国営カザール探鉱&生産会社(KEPCO)の幹部が、ロシア、ノルウェー、中国の石油・天然ガス掘削会社とカスピ海のエネルギー開発で交渉してきたことを明らかにしたという。イランはこれまで、ペルシャ湾の開発に注力してきたが、イラン核合意をめぐる欧米諸国からの経済制裁の解除、外国企業の参入を認める中、今後はカスピ海の開発にも力を注ぐ方針のようだ。