メキシコでは最近、同国政府が浅海や陸上鉱区における落札結果を相次いで発表したほか、規制当局が燃料にかかわる基準を改訂するなどの動きが伝わる。
メキシコ政府は6月19日、メキシコ湾南部の浅海15鉱区の落札企業を決定した。同国国営のペメックスやシトラ・エナジー、イタリア炭化水素公社(ENI)のほか、ロシアのルクオイル、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェル、仏トタル、コロンビア国営のエコペトロール、スペインのレプソルなどが落札した。落札鉱区全体の推定生産量は日量17万バレル(原油換算)とされ、総投資額は82億ドルという。
その後、メキシコ政府は7月12日、同国における陸上鉱区の探査・開発権24件の入札に関連して21件の落札先が決定したと発表した。それによると、カナダのサン・ゴッド・エネルギア、メキシコのジャガー探鉱・生産会社、中国の山東ケルイ石油設備、米国のバーダット・エクスプロレーション・メキシコなどが落札した。21件の総契約額は約20億ドル。2025年までに原油を日量7万9,000バレル、天然ガスを同3億7,800万立方フィート生産する予定だ。
メキシコのエネルギー規制委員会(CRE)は6月末、燃料にかかわる基準を改訂し、規制緩和に乗り出した。その中、ガソリンへのエタノール配合比率の上限を現行の6%から10%に引き上げている。ただし、メキシコ盆地にある首都圏やグアダラハラ州などは適用除外されている。
独BASFは6月13日、同社の子会社BASFメキシコがメキシコで展開する界面活性剤事業を米化学会社のステパン(本社:イリノイ州ノースフィールド)に売却することに合意したと発表した。首都メキシコシティに近接するエカテペックのプラント(製造能力は年間5万トン)なとが売却対象となる。今年下半期に売却手続きを完了する見通しだ。
このほか、ペメックスは、イダルゴ州のトゥーラ製油所(精製能力は日量31万5,000バレル)の近代化プロジェクトでパートナー企業を選定している。7月4日付の『ロイター通信』によると、コーカー(重質油熱分解装置)の建設・操業を計画しているという。投資額は20億ドルを予定。