今回は、米国におけるエネルギー事情を取り上げる。米ゼネラル・エレクトリック(GE)による米油田サービス大手のベーカー・ヒューズ買収を司法当局が正式承認したほか、米エネルギー情報局(EIA)が米石油・天然ガス生産量などの最新テータを公表している。

 GEと米油田サービス大手のベーカー・ヒューズは612日、GEによるベーカー・ヒューズ買収を米司法省が承認したと発表した。GEがベーカー・ヒューズの株式62.5%を取得し、GEのジェフリー・イメルト最高経営責任者(CEO)がベーカー社の会長に就任する。2017年半ばまでに買収手続きを完了する見通しだ。

 一方、EIA612日、2016年の主要石油67社の年次報告で、原油類の総生産量が日量2,400万バレルで、15年に比べ25%減少したことを明らかにした。新しく確認された原油埋蔵量は49億バレルの低水準で、14年半ば以降の原油安の局面で、石油会社が探査・開発事業向けの投資を減らしたことに起因するとした。

 EIAはまた、2016年の米国での石油・天然ガス生産量が5年連続で世界第1位になったと発表した。ただ、石油・天然ガスとも2015年に比べ減少している。天然ガスの生産量については、2009年に米国がロシアを抜いて以降、9年連続で世界第1位を維持している。

 このほか、EIA62日、2016年の米国における発電用石炭消費量が67,700万ショートトン(st)で、1984年以降で最低記録を更新したと発表した。発電向け石炭消費量は、生産量がピークの2008年に比べ35%減少しているという。石炭輸送量の3分の2超を鉄道輸送が占めた。生産量は減少したものの、鉄道による輸送依存度は約70%で、変化はないとしている。

 他方、612日付のサイト『ビスマルク・トリビューン』によると、バッケン・シェールオイル産地を抱える米ノースダコタ州の20174月の原油生産量が3カ月連続で日量100万バレルを超えたという。4月の原油生産量は同105万バレルだった。一方、同州における4月の天然ガス生産量は日量18億立方フィートと、過去最高を記録したという。