アイルランドのプロビデンス・リソーシズ(PR)とパートナーのソシーナは6月7日、アイルランド沖合のポーキュパイン海盆にある探鉱権50%を仏トタルに2年間付与する契約を締結したと発表した。トタルはオペレーターを引き継ぎ、探査活動に乗り出す。他方、プロビデンスとソシーナは、英国のケアン・エナジーの子会社であるカプリコーンとも契約を締結したという。最終的な権益比率は、トタルが50%、プロビデンスが24%、カプリコーンが20%、ソシーナが6%となる。(画像は欧州旗)
ギリシャの石油開発会社であるエネルジアン・オイル&ガスは5月28日、イスラエル沖合に位置するカリッシュ・タニンの天然ガス田(総埋蔵量は約680億立方メートル)で産出される天然ガス(230億立方メートル)を、イスラエルの電力会社ダリア・パワーエナジーなどに供給すると発表した。
オーストリアの石油・天然ガス会社であるOMVとアブダビ国営石油会社(ADNOC) は5月25日、エネルギー下流事業分野で協力関係を構築し、その検討で合意し、覚書(MOU)に署名したと発表した。石油精製分野での情報交換、製油所と石油化学コンプレックス(複合施設)の統合などが検討課題となる見通しだ。
他方、OMVは「サウス・ストリーム」天然ガス・パイプライン建設でロシア国営ガスプロムと協議を再開した、と現地紙が伝えた。サウス・ストリームは、ロシアで産出された天然ガスについて、ウクライナを迂回して黒海からブルガリア、ギリシャ、イタリア経由でオーストリアに輸送するパイプライン計画だったものの、欧州連合(EU)の反対で中止に追い込まれていた。こうした事態を受け、ガスプロムは2014年12月、トルコ経由の「ターキッシュ・ストリーム」天然ガス・パイプラインの建設計画を決定した。すでに着工していると伝わる。
このほか、スイスの石油化学製品の製造大手であるイネオス(INEOS)は6月12日、欧州でプロパン脱水素(PDH)プラントを建設すると発表した。建設候補地はベルギーのアントワープで、プロピレン製造能力は年75万トン。イネオスは、スコットランドのグランジマウスとノルウェーのラフネスにおけるエチレン製造能力をそれぞれ年100万トンに引き上げる計画も同時に進めている。