欧州連合(EU)は6月1日、バルト3国(エストニア・ラトビア・リトアニア)をロシアの電力網から独立、分離させる計画を発表した。バルト3国は、2025年までにロシアの電力網を切り離し、ポーランドの電力網に接続するという。EUは、ポーランドとリトアニア間の電力網接続にかかわる初期投資額を約1億9,000万ユーロと見込む。ロシアからの電力網切り離しについて、EUはコスト削減などを挙げているが、実際は2014年のウクライナ危機をきっかけに高まるエネルギー安全保障で、ロシア依存を引き下げるのが目的とされる。(画像は欧州旗)
他方、欧州委員会(EC)は5月29日、自動車の認可システムの見直しに合意したと発表した。現在、新しい規制案をEC内で検討している。新規制案では、新車5,000台に1台の割合で排ガス試験が実施される。違反行為に対し、最大で3万ユーロを課すという。今回の認可システムの見直しは、排ガス試験データを改ざんしたフォルクスワーゲンの問題を受け、信頼回復を目指す狙いがあるとされている。
このほか、ポーランド国営石油・天然ガス公社(PGNiG)は5月29日、同国西部のシロダ・ヴィエルコボルスカ近郊の鉱区(Miloslaw-5K/H井)で天然ガス埋蔵を確認したと発表した。掘削地点は深度3,650メートル、水平400メートル。この鉱区の権益比率は、PGNiGが51%、ポーランドの石油精製・石油化学メーカーのPKNオルレンが49%。
ドイツでは、海運・コンテナ運送会社のハパックロイド(本社:ハンブルク)が5月29日、アラブ首長国連邦(UAE)の海運会社であるユナイテッド・アラブ・シッピング・カンパニー(UASC)との合併に関連して4億ドルの増資が株式総会で承認されたと発表した。統合が実現すれば、世界第5位の海運会社が誕生するとし、増資手続きを6カ月以内に完了させる予定とした。
一方、ドイツのリンデ・グループは6月2日、ロシアの化学会社であるニジネカムスク石油化学(NKNK)からタタールスタン共和国のジネカムスクにある石油化学コンプレックス(複合施設)にオレフィンプラントを建設することに合意したと発表した。製造能力は、エチレンが年間60万トン、その他の石油化学製品が同60万トン。新設するオレフィンプラントは2022年に稼働する予定だ。