マレーシア国営ペトロナスが、液化天然ガス(LNG)ビジネスで活発な展開をみせているほか、原油価格が上向いてきたことを受け、マレーシアのサプラ・エナジーが上流部門での事業再開を検討していることが判明している。
ペトロナスのLNG担当役員は4月半ば、今後も中国でLNG事業を拡大する方針を示した。現地からの報道によると、今後も経済成長が見込めるとして、特に中国南部へのLNG供給を拡大すると強調した。ペトロナスは、マレーシア・サラワク州ビンツルのLNGコンプレックス(複合施設)からLNGを輸出している。最近は豪州のGLNGに加え、4月にはサラワク沖合のカノウィット天然ガス田の浮体式LNG施設からも出荷を始めている。
ペトロナスはまた、サウジアラビアの潤滑油製造会社のULCとサウジ市場へのエンジンオイルを独占的に供給する契約に合意した。4月23日付のサイト『サウジ・ガゼット』などが報じた。ペトロナスは、国営サウジアラムコとの間で、マレーシアの石油化学プロジェクト「RAPID」への出資ですでに合意している。
ペトロナスは5月7日、2基目となる浮体式LNGターミナル「PFLNG2」を2020年に稼働すると発表した。PFLNG2は、マレーシア東部の240キロメートル沖合のロタン天然ガス田に設営され、年間150万トンのLNGを生産する見込みとしている。
このほか、マレーシアのサプラ・エナジーのシャームスディン最高経営責任者(CEO)は5月8日、数年来、低水準で推移してきた原油価格が上向いてきたことから、これまで保留していた上流部門の開発プロジェクトを再開する方向で検討していることを明らかにした。その上で、プロジェクト再開に10~15カ月を要するとの見通しを示した。サプラはまた、仕掛中の事業再開だけに留まらず、複数のプロジェクトに入札を行っていることを付け加えた。