ノルウェーの石油・天然ガス会社であるスタットオイルがこのほど、バレンツ海沖合の鉱区で計画する掘削事業をエネルギー当局から認可されたほか、米エクソンモービルがノルウェーに保有する油田関連の資産を売却するなどのニュースが伝わっている。
ノルウェー石油安全局(PSA)は3月23日、スタットオイルがバレンツ海沖合で計画するPL849生産鉱区(7121/8-1井)の掘削事業を認可したと発表した。この井は、水深376メートルで、ノルウェー北部のハンメルフェストから北西113キロメートル、ゴリアテ油田から25キロメートルの沖合に位置するという。
スタットオイルは3月末、ノルウェー領北海のヨハン・スベルドルップ油田のフェーズ2の開発に関連し、同国の大手エンジニアリング会社のアケル・ソリューションズやドイツのシーメンスなどが基本設計役務(FEED)を受注したと発表した。生産開始は2022年を予定し、投資額は47億~65億ドルを見込む。フェーズ1で4基のプラットフォームを建設し、フェーズ2で増設し、原油生産の能力を日量66万バレルにするとしている。
他方、油田サービスの世界的企業であるシュルンベルジェのパール・キブスガード最高経営責任者(CEO)はこのほど、ノルウェーの石油掘削装置(リグ)建造会社のBorr Drilling(本社:オスロ)の株式を購入したと発表した。買収額は明らかにしなかったものの、ノルウェーの金融紙『Finansavisen』によると、2億2,000万ドルという。同紙は、Borrの株式20%を取得したと付け加えた。
このほか、米エクソンモービルは3月29日、同社がノルウェーで保有する油田関連の資産を独立系石油会社のポイント・リソーシズに売却することに合意したと発表。売却額は公表されていないが、地元メディアは9億3,500万ドルと伝えている。売却する鉱区の生産量は日量約6万バレル(原油換算)で、2017年第4四半期に買収を完了する予定。ポイント・リソーシズの主要株主は、株式投資を手がけるハイテクビジョン(本社:ノルウェーのスタバンゲル)。ちなみに、エクソンモービルは、スノーレ油田、オルメンランゲ天然ガス田をはじめ、ノルウェーで20カ所以上の鉱区で権益を保有しているという。