インドがエネルギー調達で米国と協議したほか、中国から5年ぶりにガソリンなどの石油製品を輸入した事実が明らかとなった。

インドのプラダン石油・天然ガス相は3月、米テキサス州ヒューストンで開催されたシンポジウムに出席した後、トランプ米政権でエネルギー庁長官に就任したばかりのペリー長官と会談した。現地からの報道によると、両国は、会談でエネルギー事業の協力関係について協議したという。とりわけ、2018年初めから始まる米国からインドへの液化天然ガス(LNG)輸出や、米国で展開されるLNG事業やシェール開発へのインドからの投資が議論のテーマになったとされる。

一方、プラダン石油・天然ガス相は3月半ば、インドが2016年4月から12月にかけて、中国からガソリン1万8,000トン、ディーゼル3万9,000トンを輸入したことを明らかにした。3月15日付のサイト『エコノミック・タイムズ』によると、燃料調達先の多様化を進めるインドは、5年ぶりに中国からガソリンなどの石油製品を輸入したという。インドはこれまで、ガソリンやディーゼルを主にシンガポールやアラブ首長国連邦(UAE)から調達してきた。

インド政府はまた、国内各地に点在する給油所でLNGを輸送用燃料として販売することを決めた。そのため、インドで最大規模のLNG輸入会社であるペトロネットLNGと契約締結で合意した。ペトロネットはさらに、インド内陸水運公社(IWAI)との間で、バージ船にLNGを供給するために内陸水路に沿ってLNG給油所を新設することでも合意した。ペトロネットは現在、ハルディア(西ベンガル州)やパトナ(ビハール州)、ガーズィープル(ウッタル・プラデーシュ州)などのLNG給油所建設にかかわる事業化調査(FS)の結果を取りまとめている。

ところで、『ロイター通信』(3月3日付)などの報道によると、LNG輸入に関連して、インド国営ガス会社のGAILが3月初旬、スイスのトレーダーであるガンボーから今年4月から12月にかけて、原油相場に連動する価格でLNG(計80万トン)を購入することが判明した。その一方、GAILは2018年に米シェニエール・エナジーがルイジアナ州で展開するサビンパスLNGからLNG(計60万トン)をガンボーに販売することで合意した。