アラブ首長国連邦(UAE)ではこのほど、ドバイ電気・水道局(DEWA)が同国の太陽光プロジェクトで第4期プラントの入札期限を発表した。また、米エネルギー情報局(EIA)が3月21日、UAEの国別レポートを更新し、その内容を公表した。

DEWAは3月20日、ドバイの太陽光発電プロジェクト(ムハンマド・ビン・ラーシド・アル・マクトゥーム・ソーラー・パーク)に関連し、第4期の集光型太陽光発電プラント(200メガワット=MW)の入札期限を5月にすると発表した。入札は今年1月15日から実施されている。このプラントは2021年までに稼働する予定。発電量は、2020年までに1,000MW、2030年までに5,000MWを計画している。

UAEは今年1月半ば、今後30年間を対象とするエネルギー戦略「Energy Strategy 2050」を発表済みだ。それによると、UAEは2050年までに1,630億ドルを投資する計画で、これを達成するためには、化石燃料に加え、クリーンエネルギー、天然ガス、原子力の導入が必要とし、それに向けたロードマップも付記した。

このほか、3月12日付のサイト『トレード・アラビア』などによると、インド系のペトロリアム・スペシャルティーズは3月半ば、UAEシャールジャ首長国のハムリヤ経済特区(FZE)に工業用溶剤の製造施設を開設。投資額は1,800万ドルに上るという。施設の規模は同種のプラントとしては地域で最大級とされる。

他方、EIAによると、2017年1月現在、UAEの原油確認埋蔵量は世界第7位の978億バレルで、このうちの約96%がアブダビ首長国に存在する。UAEでは新しく発見される原油埋蔵がないため、増進回収法(EOR)と呼ばれる技術によって、成熟油田での増産活動が行われている。2016年の原油類の生産量は日量370万バレルで、原油が同290万バレル。原油の輸出量は日量250万バレルで、アジア向けが主流となっている。UAE国内には4つの製油所があり、総精製能力は日量110万バレル。

一方、UAEの天然ガス埋蔵量は215兆立方フィートで、世界第7位(2017年1月現在)。ただ、2008年に天然ガスの純輸入国となった。2015年の天然ガス生産量は2兆立方フィート。輸入量が9,570億立方フィートに対し、輸出量は4,660億立方フィート。天然ガスの消費量は約2兆5,000億立方フィートで、EORで使用される油田への再注入、発電、海水淡水化が主な用途となっている。