米エネルギー情報局(EIA)はこのほど、2016年の米国における燃料用エタノールの輸出量や、バイオディーゼル、再生可能ディーゼルの輸入量などの統計をまとめた。(ロゴマークは米エネルギー省)

EIAによると、2016年における米国での燃料用エタノールの輸出量は、前年比26%増の10億ガロン(日量ベースで6万8,000バレル)で、2011年に次ぎ、2番目の輸出量を記録した。一方、輸入量は同60%減の3,600万ガロンだった。米国は7年連続のエタノール純輸出国となり、この分野における存在感を示した。輸出先は34カ国に上り、アジアや南米向けが目立つ。米国でのエタノール全体の生産量は150億ガロン(同100万バレル)で、過去最高を記録。余剰分が輸出に回されているという。

他方、EIAは3月21日、2016年におけるバイオマス由来のバイオディーゼル、再生可能ディーゼルの輸入量が前年比65%増の9億1,600万ガロン(=2,180万バレル)となり、過去最高を記録したと発表した。バイオディーゼルに限定すると、輸入量は過去最高の6億9,300万ガロン(15年は3億5,300万ガロン)だった。

EIAによると、バイオディーゼルの主な輸入先は、アルゼンチン、インドネシアなどとなっている。第1位のアルゼンチンの占める割合が64%になるという。また、2016年の再生可能ディーゼルの輸入量は前年比9%増の2億2,300万ガロン。EIAは、バイオディーゼルにかかわる税額控除制度の導入などで需要増加につながったと分析している。

このほか、米国では、大学や研究機関などへの助成金制度の充実もバイオ燃料開発を促進することに寄与しているようだ。米ペンシルバニア州立大学とイエール大学の研究チームが3月初旬、エネルギー省(DOE)の自動車・燃料研究イニシアチブ(Co Optima)から120万ドル相当の助成金を得た。

ペンシルバニア州立大学のニュースリリースによると、アルコールやエステル、アニソールなどのバイオ燃料にかかわる燃焼研究を通じて、2030年までに石油消費量の30%削減、温室効果ガス(GHG)の14%削減を目指すとしている。