豪州企業に関連して、エネルギー事業での権益取得などにかかわる情報が報じられている。豪APAグループはこのほど、豪クーパー・エナジーがビクトリア州の沖合に保有する天然ガス開発プロジェクト「ソール・ガス・プロジェクト」の権益の一部を約2億7,300万ドルで取得することで合意したと発表。両社は開発作業のスピードを速め、2018年から商業生産を開始する方針という。
他方、豪BHPビリトンは3月3日、メキシコの国営石油会社(ペメックス)と共同で、今年末までにメキシコ沖合メキシコ湾のトリオン深海鉱区で試掘作業を開始すると発表した。トリオン鉱区はメキシコと米国との国境近くに位置し、水深は2,570メートル。推定埋蔵量は原油換算で4億8,000万バレルとみられている。このほか、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイを本拠とする地震探査データ販売会社であるポラルカスは3月3日、豪州沖合の3D(3次元)海底地震探査の契約手続きを終えたと発表した。今年の第3四半期から約2カ月にわたり、探査活動を実施する。
ところで、米エネルギー情報局(EIA)は3月7日、豪州の国別レポートを更新した上で、その内容を公表した。それによると、豪州は化石燃料やウランの埋蔵量が豊富で、2015年の石炭輸出量が世界第1位、液化天然ガス(LNG)輸出量は世界第2位とした。原油の確認埋蔵量は18億バレル(2016年末時点)で、その多くは軽質・低硫黄だ。
2016年の原油類の生産量は日量38万7,000バレル。内訳は原油が約43%、コンデンセートが約32%、天然ガス液(NGL)が約16%で、残りはバイオ燃料などである。原油類の輸出量は日量19万2,000バレル。16年の石油類の消費量は日量約110万バレル。同年の原油の純輸入量は日量10万バレルで、石油製品の純輸入量は日量48万バレルを超えるとしている。現在、豪州には4つの製油所があり、総精製能力は日量41万1,000バレル。
他方、天然ガスの確認埋蔵量は30兆立方フィート(2015年12月現在)。15年の生産量は2.3兆立方フィートで、国内で消費される天然ガス量は1.4兆立方フィート弱という。なお、16年のLNG輸出量は2.1兆立方フィートで、最大の供給先が日本(全体の約51%)である。