国内石油製品のスポット(卸)価格と原油価格との格差であるクラックスプレッドが拡大している。3月8日から原油価格が急落しているのに対して、ガソリン・灯油・軽油・A重油などのスポット価格が下げ渋っているためだ。特に、石油会社にとって最も販売数量の多い、主力のガソリンと原油のスプレッドは急伸している。2月中旬には1リットル当たり8円割れまで落ち込んだが、足元では16円まで上昇している。3月31日に期限を迎えるエネルギー供給構造高度化法二次告示(高度化法)に対応して、石油各社が精製能力を削減することや、春の定期修理が重なることが背景にある。2003年以降、主力の石油製品のクラックスプレッドは10~15円で推移してきたが、こうした供給サイドに起因するスプレッドの上昇圧力は、今後も続く可能性が強いと考えられる。(イラストはイメージ)
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