中南米地域では、キューバで2月に開催された石油・天然ガスサミットに200人を超す関係者が参加したほか、チリからは環境基準違反の事案が報告されている。また、汚職事件に揺れるブラジルの最大手ゼネコンであるオデブレヒトが、ペルーでのプロジェクトで落札したものの、資金調達に失敗したことを理由に契約を解除された。(国旗はキューバ)
2月12日付のサイト『ファイナンシャル・エクスプレス』によると、キューバ国営石油会社(クペット)が主催したキューバの石油・天然ガスサミットに石油企業の関係者らが多数参加したという。この中、豪メルバーナ・エナジーのトップがキューバでのエネルギー開発に積極的な姿勢を示したという。キューバでは2002年以降、新たな石油・天然ガス資源開発は実施されていない。ただ、最近は米国とキューバとの歴史的な国交回復などの流れを受け、俄かに注目が集まっているのも事実だ。メルバーナ・エナジーは2015年、キューバの首都ハバナ東部から約140キロメートルに位置する陸上鉱区(ブロック9)の権益を取得。16年には、同鉱区での石油の可採埋蔵量が3億9,500万バレルと評価している。
他方、アルゼンチンでは、スイスのトレーダーであるトラフィギュラが、国営エネルギー企業のエナルサから2017年の液化天然ガス(LNG)供給契約を落札したとの情報が伝わった。現地メディアなどによると、アルゼンチンは今年4~8月にLNG16船分を輸入するという。このうち、トラフィギュラが11船、3船がスイスのグレンコア、2船が米シェニエールとされている。
チリでは、環境基準違反に関する事案が報告されている。同国の環境監督庁(SMA)は2月半ば、チリ国営石油・天然ガス会社(ENAP)のアコンカグア製油所で環境汚染物質の排出量と、昼間・夜間を通じての騒音など、計17件に上る基準違反が認定されたとした。SMAは今後、ENAPに制裁を科すとしている。
このほか、ペルー財務省は1月下旬、同国での天然ガスパイプライン建設プロジェクトを落札したオデブレヒトが必要な投資資金を調達できなかったとして契約を解除したと発表。『ロイター通信』などの報道によると、オデブレヒトは現在、汚職問題でブラジル司法当局の調査を受けているため、資金調達の失敗だけでなく、同プロジェクトの権益55%を自社の判断で売却することができないといった制約がかかっている。ペルー当局は今後、あらためて入札を実施する計画という。