米ライス大学の研究グループはこのほど、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油価格が1バレル60ドルを上回れば、シェール開発企業が、休止中の石油掘削装置(リグ)を再稼働させ、原油・天然ガス増産に転じると予測した。(写真はイメージ)
2月9日付の『ロイター通信』は、韓国ガス公社(KOGAS)が米国のシェールガスプロジェクトへの投資に関心を示していると報じた。それによると、KOGASは、シェールガス開発への投資を加速させることで、米国の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)離脱による悪影響を軽減できると踏んでいるという。また、エネルギーの安定調達という観点からも重要であるとしている。KOGASは2012年、米シェニエールと20年間に及ぶ液化天然ガス(LNG)供給契約を締結済みで、年間280万トンの供給が今年からスタートする。今夏にも第1船を受け入れる予定だ。
一方、米エネルギー情報局(EIA)レポート(2017年2月10日付)によると、アルゼンチンは2008年に天然ガスの純輸出国から純輸入国に転換した。同国のシェールガス推定埋蔵量は802兆立方フィートとされ、2015年はシェールガス生産が2006年以降で初めて増産となったものの、国内需要の23%は輸入に依存している。そのため、アルゼンチン国営YPFは、米シェブロン、ダウケミカル、マレーシア国営のペトロナスなどとの合弁事業(JV)を通じて、シェールガスの増産に乗り出す方針を表明している。
また、豪オリジン・エナジーはこのほど、北部準州(NT)のビータルー盆地で実施したシェールガス埋蔵調査の結果をNT州政府に提出した。2月15日付のサイト『オイル・ボイス』などによると、試掘調査の結果、大規模なシェールガス埋蔵の可能性を確認したという。ただ、NT政府は2016年9月から非在来型天然ガスのフラクチャリング(水圧破砕工法)の使用を一時禁止する措置をとっている。
米国では、マークウエスト・エナジー・パートナーズとアンテロ・ミッドストリーム・パートナーズが、ウエストバージニア州マーセラスのシェール鉱区を開発する合弁事業(JV)を立ち上げた。このJVは均等出資で、両社が保有する同鉱区の計36万エーカーを譲り受ける。また、同州ドットリッジ郡シャーウッドの複合施設(天然ガスの生産能力は日量12億立方フィート)の増強を担うとしている。JVは今後、天然ガス冷却装置を2017年に2基、18年に1基を新たに稼働させるほか、さらに8基の増設を検討しているという。