エジプトからの報道によると、国営ガス会社のEGASはこのほど、ロシア国営のロスネフチ、仏エンジー、オマーン・トレーディング・インターナショナルとの間で、液化天然ガス(LNG)45船分(13万8,000~15万6,000立方メートル相当)、総額10億ドルの輸入契約を締結したという。エジプトは今年3月からこれら3社からLNG輸入を開始する。エジプトの地中海沖合では、大規模な天然ガス田「ゾア」が発見されているが、エジプトでの国内需要を満たすため、LNGを輸入しているのが実情だ。
一方、国際石油開発帝石(INPEX)が西豪州で主導するイクシスLNG輸出プロジェクトで、発電プラントの建設を請け負っていた豪建設会社のCIMICが1月末に撤退すると発表した。CIMICが建設する発電プラントは現在、ほぼ90%完成済みとされ、今回の撤退が大きな痛手にならないとされるものの、当初予定していた2017年7~9月の生産開始が遅延されるとの見方も浮上している。
このほか、世界各国で現在、LNGプラント建設計画が進んでいる。エナジー・ワールドUSAは、米ルイジアナ州で中規模LNG生産・輸出プラントの建設を計画している。輸出能力は最大200万トン/年で、投資額は8億ドルが見込まれる。
タイ国営のPTTは現在、2019年に完成予定のマプタプットLNG輸入ターミナル(1,150万トン/年)に加え、第2マプタプットLNG輸入ターミナル(750万トン/年)の認可をタイ当局から取得した。2020年に着工、2023年に操業開始を予定する。2月10日付の『バンコク・ポスト』などが報じた。
ドイツでは、リンデ・グループが、ロシアのガスプロム系列会社からバルト海のプルトバヤに建設予定のLNGプラント(150万トン/年)を受注した。2月7日付の『オイル&ガスジャーナル』などによると、リンデは基本設計を担当するほか、混合冷媒方式の装置(LIMUM)を提供するという。天然ガスは「ノルド・ストリーム」パイプラインの圧縮ステーションから輸送される。
また、仏トタルと仏海運大手のCMA CGMは2月1日、クリーン・エネルギーの供給・貯蔵に関する契約で合意したと発表した。それによると、トタルはCMAに対し、硫黄濃度0.5%の船舶燃料のほか、二酸化炭素(CO2)や硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)などの排出量が少ないLNGを提供するとしている。