フィンランドのネステが、カナダの再生可能エネルギー会社と組んで森林残渣の研究開発協力をスタートしたほか、ネステが自社製造した再生可能ディーゼルをフィンランドのサービスステーション(SS)で販売開始するなど、バイオ燃料の開発にかかわる海外企業の動きが伝わっている。(写真はイメージ)
ネステとカナダのバイオエナジー・ラ・チューク(BELT)は1月17日、バイオ燃料の原料に使用する森林残渣の研究開発協力を開始したと発表した。加ケベック州ラ・チュークにバイオ燃料プラントを建設する方向で検討に入ったという。バイオマスを原料とする燃料製造が商業ベースに乗るかの可能性を探る。
ネステはまた、再生可能ディーゼル「ネステ MY リニューワブル・ディーゼル」をフィンランドの首都ヘルシンキ周辺にある一部のSSで販売開始したと発表。MY リニューワブル・ディーゼルは、廃棄物や残渣物を原料とするネステの「NEXBTL」と呼ばれるプロセスで製造した製品で、温室効果ガス(GHG)排出量は石油系に比べ90%低いという。
他方、米シアトル港・ボーイング・アラスカ航空は1月半ば、シアトル・タコマ国際空港へのバイオ航空燃料の供給に最適なインフラ状況を研究した報告書を発表した。タコマ空港は現在、持続可能バイオ航空燃料をすべてのフライトに供給することを最終目標に掲げている。
また、ボンベガス供給会社の仏ブタガスは、バイオ開発会社の仏グローバル・バイオエナジーズと共同で、グローバル社の実証プラントで製造したバイオイソブテンをプロパン・ブタンに配合し、2017年の早い段階に供給を開始する予定だ。グローバル社が1月16日に発表した。
このほか、米国エネルギー省(DOE)のバイオエネルギー技術局(BETO)と、農務省(USDA)の飲食農業研究所(NIFA)が、バイオマス研究・開発イニシアチブを発表した。このプロジェクトは、再生可能バイオマスを経済的かつ環境に適合させて開発するもの。対象とされる分野は原料開発、バイオ燃料・バイオ化学品開発、バイオ燃料システムの最適化などとなっている。