原油価格の回復を受け、中国海洋石油(CNOOC)がこのほど、2017年の設備投資額を増やすと発表した。そのほか、CNOOCが南シナ海や渤海湾に保有する油田で原油生産がスタートするなどの動きも伝わっている。
CNOOCは19日、2017年の設備投資予算を昨年の600億元から700億元(約102億ドル)に増額すると発表した。原油や天然ガス価格の回復を受け、新規プロジェクトを推進できると判断したようだ。17年の石油・天然ガスの生産量は4億5,000万~4億6,000万バレル(原油換算)を見込む。生産量のうち、約6割が国内向けで、残りが海外向けという。今後、126カ所の試掘作業に取りかかるという。
一方、CNOOCはこのほど、南シナ海の珠江口海盆の恩平 23-1油田(水深90メートル)で原油生産を開始した。既設の油田設備を活用し、他の恩平( 23-2・23-7・18-1)油田と一体で生産するという。プラットフォームを共用する恩平 23-1、23-2、23-7の原油生産量は日量5,600バレル。また、これら油田のピーク生産量は2018年に同2万4,800バレルになると予想する。
CNOOCは最近、渤海湾の蓬莱 19-9油田(水深30メートル)でも原油の生産を開始した。現在の生産量は2油井で日量750バレル、今後全57井を掘削することで、総生産量が1万3,000バレルに達するとの見通しを示す。蓬莱油田 19-9の権益比率は、オペレーターのCNOOCが 51%、コノコ・フィリップス・チャイナ が49%。
ところで、昨年末、中国当局は、シェルとCNOOCの折半出資で設立した合弁(JV)企業「中海シェル石油化工」(CSPC)が広東省恵州市で予定する石油化学プラントの所有権を認可した。CSPCの石化コンプレックス(複合施設)を建設するもので、2017年第4四半期に稼働開始の予定だ。この石化プラントの設備能力は、エチレンが年間120万トン、エチレンオキサイドが同15万トン、エチレングリコールが同48万トン、スチレンモノマーが同63万トン、高品質ポリオールが同60万トンなどとなっている。