バイオ燃料にかかわる開発で、企業の資本提携やプロジェクト参加の動きが目立つ。一方、米大学などの研究機関が新たなバイオ関連製造プロセスの研究成果を公表するなど、米国を中心にバイオ開発競争が激しさを増している。
シェブロン・プロダクツ・カンパニー(米カリフォルニア州)は昨年12月半ば、バイオ化学品会社のアミリス、ブラジルのバイオエタノール・メーカーであるコサンとの合弁企業(NOVVI)に出資すると発表した。再生可能潤滑油の開発技術を有するNOVVIは2014年から生産を開始している。シェブロンはまた、出資とは別に潤滑油の新規分野でNOVVIと共同事業に取り組む計画を明らかにした。昨年末、サイト『グローブ・ニュースワイヤー』などが報じた。
デンマークのネイチャー・エナジーは昨年末、バイオガス液化天然ガス(LNG)の生産を目指す「ノルディック・エクイファクション・プロジェクト」に参加したと発表した。このプロジェクトは2016年2月、バンカー・ホールディング・グループ、コサン・クリスプラント、ポート・オブ・フレゼリクスハウンによって開始された。2017年に設計、2018年末にユトランド半島北部のフレゼリクスハウン港(デンマーク)に完成する予定という。
一方、研究開発分野では、米ロスアラモス国立研究所(LANL)の研究チームが、バイオアセトンから化学品などを製造する安価な触媒システムを開発したことが判明した。サイト『グリーン・カー・コングレス』によると、アセトンから脂肪族ケトンとアロマ化合物を合成した上で、水素化脱酸素反応によってアルコール、アルケン(飽和炭化水素)、アルカン(脂肪族炭化水素)に転換できるとしている。
このほか、米大学連合の研究チームがこのほど、バイオマスからパラキシレンを製造するプロセスを開発し、その成果を専門誌に発表した。新しく開発したリン含有のゼオライトを使用し、バイオマスから収率97%で、パラキシレンの合成に成功したという。ちなみに、参加したのは、マサチューセッツ(アマースト校)、ミネソタ、ペンシルベニア、デラウェアの各大学研究チーム。