インドでは、国営精製3社が同国最大規模の製油所建設で合意したほか、バイオ燃料や太陽光といった再生可能エネルギー分野での開発事業が進んでいる。昨年末までに報道された、インドの企業動向を取り上げた。

インド国営の精製3社、インド国営石油会社(IOC)、バハラット石油(BPCL)、ヒンダスタン石油(HPCL)は昨年末、西海岸に同国最大規模の製油所(精製能力は年間6,000万トン)を建設する協定に調印した。権益比率はIOCが50%、BPCLが25%、HPCLが25%。サイト『ビジネス・トゥディ』などによると、サウジアラビアなどが、このプロジェクトへの参加を意思表示しているが、年末時点で最終決定には至っていないとした。

インドのバイオマス企業であるプラジ・インダストリーズは昨年末、IOCとBPCLとともに第2世代バイオエタノールのプラントを建設することに合意した。『エコノミック・タイムズ』によると、グジャラート州のパーニーパットやダヘジなど3カ所にプラントを1基ずつ建設するという。エタノールの製造能力は日量10万キロリットル、農業残渣物(リグニン系バイオマス)からエタノールを製造することで、地域経済の振興や環境保全、原油消費量の削減につながるとしている。

他方、インド南部のタミル・ナードゥ州で昨年末、同州カミューティに世界最大級の太陽光発電プラントが完成した。発電能力は648メガワット(MW)で、15万世帯に送電が可能となる。このプラント建設で、インドの新興財閥であるアダニ・グループ傘下のアダニ・グリーン・エナジーが約6億8,000万ドルを投資したという。

このほか、インドの電力企業であるリライアンス・パワーは昨年12月、バングラデシュの液化天然ガス(LNG)発電プロジェクトを受注したと発表した。浮体式貯蔵・再ガス化施設(FSRU)をコックスバザール地区のモヘシュカリ島沖合に、火力発電所(出力は750メガワット=MW)をダッカの南東約40キロメートルのメグナガットに建設するとしている。LNG貯蔵容量は13万8,000立方メートル、再ガス化能力は日量50万立方フィートで、2018年の操業開始を見込む。

ところで、インドでは11月上旬に高額紙幣の流通が廃止され、経済活動の鈍化が懸念されたものの、1カ月以上が経過した2016年12月半ば現在、国内精製3社(IOC、BPCL、HPCL)のガソリン消費量の増加ペースに変化がなく、2016年4~11月の販売量は11%増加したという。昨年末にサイト『インディアン・エクスプレス』などが報じた。