中東ヨルダンで進めてきた韓国勢による研究用原子炉の工事が完了した。一方、GSカルテックスはこのほど、米国産原油を初輸入した。その他の情報を取り上げた。

ヨルダンでの研究用原子炉(出力は5,000キロワット=kW級)プロジェクトは、同国北部のヨルダン科学技術大学の構内に建設する計画で、韓国原子力研究院と大宇建設が2010年から工事に着手、このほど完成し、12月7日に記念式典が行われた。ヨルダン原子力委員会によると、総工費は約180億円で、韓国政府がその半額強を低利融資したそうだ。

また、韓国石油精製大手の現代オイルバンクとロッテケミカルの合弁企業(JV)である現代ケミカルが、韓国西海岸の大山製油所に建設したコンデンセートスプリッター(能力は日量13万バレル)が完成した。11月15日付の『ロイター通信』などによると、今後、年間ベースでキシレンを120万トン、軽質ナフサを100万トン、ジェット燃料など石油燃料製品を日量5万バレル製造する。そのため、今年12月末までにイランのサウス・パース産コンデンセート200万バレル分を輸入するという。

一方、GSカルテックスは11月21日、米テキサス州イーグルフォードのシェール層で産出された原油100万バレルを初輸入したと発表。また、GSカルテックスはさらに100万バレル分の米国産原油を追加輸入する計画であると表明した。

このほか、韓国のLGケムは11月初旬、中国海洋石油(CNOOC)との合弁企業(JV)であるCNOOC&LGペトロケミカルズが、中国広東省のABS樹脂プラントに1億ドルを投資し、製造能力を現行の年間15万トンから30万トンに倍増する計画であることを明らかにした。

ところで、12月2日付のサイト『ワールド・マリタイム・ニュース』などは、韓国のサムスン重工業が、欧州企業との間で7年ほど前に締結した液化天然ガス(LNG)浮体式生産・貯蔵・出荷設備(FPSO)の建設にかかわる契約を破棄していたと報じた。それによると、受注額は7億7,400万ドルで、破棄の理由について、顧客サイドが契約条項を順守しなかったためとした。当初の計画では、2013年からLNGを年間250万トン生産する予定だった。ちなみに、契約先の欧州企業について、具体的な企業名は明らかにされていない。