アフリカでは欧州エネルギー企業の動きが目立っている。仏トタルがコートジボワールで液化天然ガス(LNG)輸入プロジェクトにかかわる建設・操業権利を取得したほか、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルがガボンで資産売却交渉に乗り出したことなどが報じられている。(国旗はコートジボワール)
トタルは11月25日、同社を中心としたコンソーシアム(複合企業体)が、コートジボワールでのLNG輸入プロジェクトについて、建設と操業にかかわる権利を取得したと発表した。このプロジェクトでは、生産能力が年間300万トンの浮体式貯蔵・再ガス化施設(FSRU)、FSRUと発電所及び国内における天然ガス網とのパイプライン接続役務が含まれるという。FSRUの操業開始は2018年半ばを予定する。コンソーシアムの権益比率は、オペレーターのトタルが34%、ペトロCIが11%、CIエナジーが5%などとなっている。
ロイヤル・ダッチ・シェルはガボンにおける陸上資産(価値は約7億ドル)の売却交渉を進めている。11月25日付の『ロイター通信』が伝えた。それによると、売却候補先には、米国ワシントンD.C.を本拠とするプライベート・エクイティ・ファンド(PEF)のカーライル・グループと、仏石油開発会社のペレンコの社名が挙がっているという。今年2月、英BGグループを買収したシェルは、総額300億ドルの資産売却に取り組んでおり、これまでに約60億ドル相当の売却(売却合意済みを含む)を実施している。
一方、英BPはエジプト沖合のシュルーク鉱区(ゾア天然ガス田を含む)の権益10%をイタリア炭化水素公社(ENI)から3億7,500万ドルで譲り受ける契約に合意したと発表した。ENIは50億ユーロ相当の資産売却計画を進める一環としている。ENIは昨年8月、ゾア天然ガス田を発見。埋蔵量は30兆立方フィートとされている。
このほか、ナイジェリアでは、国営石油公社(NNPC)のトップがカドゥナ製油所(精製能力は日量11万バレル)とニジェールを結ぶ全長約1,000キロメートルのパイプラインを建設する計画を明らかにした。サイト『パンチ』(11月26日付)などによると、パイプライン計画のほか、ニジェールから原油を輸入することで、両国政府が交渉しているという。