今回は、ジェット燃料にかかわる話題を取り上げる。英BPが航空燃料を製造する合弁企業(JV)をインドネシア企業と同国で立ち上げることに合意したほか、ナイジェリア国営石油公社(NNPC)が国内の製油所でジェット燃料の製造を間もなく開始すると発表した。また、米大学でジェット燃料に関する研究成果などが報告されている。
BPは11月15日、同社の航空部門であるAir BPと、インドネシアの石油・化学品供給会社のAKRコーポリンドが、インドネシアで航空燃料を製造する合弁企業「Air BP-AKRエビエーション」を設立することに合意したと発表した。BPによると、インドネシア国内における航空市場規模は、年率15%で増加しているという。旅客数は2021年に1億8,000万人になるとの予測を示し、今後、ジェット燃料需要の大幅な増加が見込めることからインドネシア進出につながったとした。
また、ナイジェリアでは、NNPCが11月19日、国内で最大規模を誇るポート・ハーコート製油所(精製能力は日量21万バレル)で、ジェット燃料の製造を近く開始することを公表した。同日付のサイト『リーダーシップ』などによると、NNPCは、ジェット燃料の供給や、採算性の確保に重点を置く方針という。
一方、米ワシントン州立大学の研究者がこのほど、プラスチックからジェット燃料留分の炭化水素を製造する新しいプロセスを開発した。11月21日付のサイト『グリーン・カー・コングレス』によると、研究者は、この成果を専門誌に発表したという。新プロセスは、高周波照射・接触分解反応と水素化精製を組み合わせたものとされ、総炭素率は54~63%。低収率条件のもと、ジェット燃料に転換可能な分解油を得られるとしている。
このほか、米エクソンモービルは10月27日、米ルイジアナ州ポートアレンの航空機用の潤滑油製造プラントがフル稼働に達したと発表した。エクソンは、先進の航空機燃料や潤滑油の需要量が2040年までに現行に比べ、55%増加すると予測。同社は、今後の成長分野の一つと捉えているようだ。