米エネルギー情報局(EIA)の報告によると、米国の天然ガス埋蔵量が11月初旬に過去最高を記録したほか、米テキサス州パーミアン盆地で原油の掘削作業が活発化していることが判明した。また、米国地質調査所(USGC)はこのほど、パーミアン盆地のシェール層における未発見・技術的可採埋蔵量が原油で200億バレルと報告した。

EIAは11月8日、短期エネルギー見通し(STEO)で、2016年の米国における天然ガス生産量を日量ベースで前年比14億立方フィート減の同773億立方フィートになるとの予測を公表した。一方、今年11月に入り、掘削作業が本格化し、生産地と消費地を結ぶパイプラインや鉄道輸送などインフラが整備されたこともあり、2017年は16年に比べ日量29億立方フィート増になるとの見通しを示した。

他方、EIAは11月16日、米国の天然ガス在庫量が11月4日に過去最高の4兆170億立方フィートになったと発表。その上で、過去52週のうち、48週で過去5年間の記録を超えているとした。EIAは、在庫積み増しの理由について、特に春先の気温が高めに推移したことで需要減につながったとした。

このほか、EIAは11月15日、米テキサス州西部のパーミアン盆地で原油の掘削作業が活発化していると発表した。その背景に、米国におけるエネルギー探査・開発企業のM&A(合併・買収)投資額が増加傾向にあるとした。また、ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)原油価格が4月半ば以降、1バレルあたり40~50ドルに回復し、エネルギー関連の債権と米国債との金利差が縮小したことも探査活動に弾みが付く要因と付け加えた。

ところで、米国地質調査所(USGC)は11月15日、パーミアン盆地ウォルフキャンプのシェール層における未発見・技術的可採埋蔵量に関連し、原油200億バレル、随伴の天然ガス16兆立方フィート、天然ガス液(NGL)16億バレルと発表した。USGCは2013年にも全米における技術的可採埋蔵量を公表しているが、今回の数字は、当時発表した時点で最大規模とされたバッケン-スリーフォークス埋蔵量の約3倍に相当するという。